10月4日

産経抄
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 「光の魔術師」とも呼ばれる17世紀の画家、ヨハネス・フェルメール(1632~75年)に「手紙を書く婦人と召使い」という作品がある。実は2度も盗難に遭っている。最初は1974年4月、アイルランドの個人宅から強奪された。

 ▼ロンドンで無差別テロを繰り返していた、武装組織IRAの犯行である。メンバーが別の事件で逮捕され、絵も発見された。12年後、今度は闇マーケットで売りさばくのが目的の犯行だった。幸い泥棒は警察のおとり捜査に引っかかり、名画は再び無事に戻った。過去には、世界の美術界を震撼(しんかん)させた贋作(がんさく)事件も起こっている。