10月27日

産経抄
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 「いったい僕は、なぜこうみんなにいやがられるのだろう」。宮沢賢治は『よだかの星』で、見栄えが良くないと鳥仲間にばかにされ、いじめられるヨダカに、こんな悲しい独白をさせている。「僕は今まで、なんにも悪いことをしたことがない」。幾度読んでも胸が締め付けられる。

 ▼文部科学省は25日、全国の小中高校などで平成29年度に認知されたいじめが、過去最多の41万4378件だったという調査結果を発表した。賢治の作品ではないが、いじめは動物の世界でもありふれた現象で根絶は難しいとしても、もう少し何とかできないものか。