仕事柄、金がもたらす不和を数多く見てきた。幸いにも、友人知己との間で大きな金を貸し借りしたことはないが、明日はわが身と備えるに越したことはない。心の構えようとしては、作家の菊池寛が参考になる。
▼地位のある人ゆえに、もっぱら貸す側だったらしい。「貸した以上、払って貰(もら)うことを考えたことはない」と『私の日常道徳』に書き留めている。貸すか貸さないかは相手との親疎で決めた。貸すにしても、相手に応じた金額を胸の内で前もって定めていたという。
仕事柄、金がもたらす不和を数多く見てきた。幸いにも、友人知己との間で大きな金を貸し借りしたことはないが、明日はわが身と備えるに越したことはない。心の構えようとしては、作家の菊池寛が参考になる。
▼地位のある人ゆえに、もっぱら貸す側だったらしい。「貸した以上、払って貰(もら)うことを考えたことはない」と『私の日常道徳』に書き留めている。貸すか貸さないかは相手との親疎で決めた。貸すにしても、相手に応じた金額を胸の内で前もって定めていたという。