11月14日

産経抄
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 道端で腰掛けて休んでいると、知らない人が話しかけてきた。「自宅は分かりますか?」。ご親切には感謝するけれど「心境は複雑」と、81歳の男性は記す。お米を研いだり、茶碗(ちゃわん)を洗ったり、70歳の夫が「所帯染みて」くると、妻の仕草(しぐさ)が「男っぽくなった」。

 ▼77歳の女性は、母親の夢を見た。「手っこつないで」二人で滝をのぼっていく。選者が交代しても、小紙「朝の詩」は、ますます快調である。俳句や短歌の欄も70歳以上の読者に支えられている。柴田トヨさんというスター詩人もいたなあ。