11月18日

産経抄
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 教授の元に教え子から便りが届いた。「先生 お元気ですか/我が家の姉もそろそろ色づいてまいりました」。艶っぽい話である。いや、そうではないらしい。〈手紙を受けとった教授は/柿の書き間違いと気づくまで何秒くらいかかったか〉。

 ▼茨木のり子さんの詩『笑う能力』の書き出しを引いた。ああ「柿」と書きたかったのね-。教え子の思いを推し量り、口元に笑みを含んだ人も多いだろう。誰もが覚えている赤っ恥の苦みを重ね合わせることで、色づく「姉」は無事に笑いの種となったわけである。