11月30日

産経抄
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 女優の赤木春恵さんは、終戦を旧満州のハルビンで迎えた。半年前から兄が現地で設立した劇団に参加して、各地を巡業していた。兄が召集されてからは、20歳にして座長を務めていた。

 ▼まもなくソ連軍が進駐してきた。赤木さんと劇団員は身を守るために、頭におしろいの粉をかけ、顔にしわを描いて老女に扮装(ふんそう)した。ソ連兵が顔を見るなり立ち去ると、心底「女優でよかった」と思ったという。