12月5日

産経抄
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 米の横流しの罪で死刑を言い渡された父親を救うため、自分たちきょうだいが身代わりになる。16歳の「いち」は奉行にそう申し出た。奉行は、いちの最後の言葉にたじろいだ。

 ▼「お上の事には間違はございますまいから」。小学校で読書感想文の課題になることの多い、森鴎外の『最後の一句』である。間違いのない判決が下されるのか。神奈川県大井町の東名高速で昨年6月に起きた、死亡事故の裁判が横浜地裁で始まった。