12月23日

産経抄
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 トルコの民話に、稲を植える賢者が通りすがりの人にからかわれる話がある。「稲が実る頃には、お前の体が弱っているだろう」。賢者は笑った。「いや、子孫のためさ。先祖が私のために植えてくれたように」。

 ▼きょう口にする米の一粒より、子や孫がより多くの実りを得る明日のために、と。思い出す御製(ぎょせい)がある。〈父君の蒔(ま)かれし木より作られし鍬を用ひてくろまつを植う〉。平成27年の全国植樹祭(石川県)で、天皇陛下が苗木をお手植えになった後、詠まれたという。