1月17日

産経抄
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 現在なら、監督失格である。「肩が痛い」と訴えても、「たるんどる」の一言ですまされた。今年の野球殿堂入りを果たした権藤博さん(80)は歯を食いしばって、来る日も来る日もマウンドに上がり続けた。

 ▼昭和36年に中日の新人投手として、35勝の最多勝を挙げる。「権藤、権藤、雨(雨天中止)、権藤」は流行語にもなった。2年目も30勝を挙げたものの、肩の痛みは限界に達していた。それでも、実働わずか5年の選手生活に悔いはなかった。「パッと咲いて、パッと散る。細く、長くなんてオレの柄じゃない」との言葉を残す。