1月20日

産経抄
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 冬木立の下を歩くと、ふと気付くことがある。裸の枝が織りなす網の目を透かし、仰ぎ見る空は思いのほか青い。揚げ損ねの洋凧(ようだこ)を召し捕ったサクラの枝は、すでに新たな季節の予感をふくらみの中に宿している。

 ▼内村鑑三の詩にある。〈春の枝に花あり/夏の枝に葉あり/秋の枝に果あり/冬の枝に慰(なぐさめ)あり〉。冬枯れの中に空の青や春の兆しを見るように、すべて取り払った後に見える景色がある。人の生涯や一つの時代が、時の流れを下った先に評価が定まるのと似ている。