1月21日

産経抄
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 流れ星はかつて、夜這星(よばいぼし)と呼ばれていた。清少納言も『枕草子』のなかで、「よばひぼしすこしをかし。尾だになからましかば、まいて」と書いている。「流れ星も興味深い。尾がなければもっといいのに」。

 ▼「よばふ」には、夜、男が女のもとに忍んで行くとの意味もある。派手な尾を残して流れていったら、人目についてしまうではないか、というのだ。古来、人々は流れ星にロマンをかき立てられたり、凶事の前触れと恐れたり、願い事を託したりしてきた。