1月24日

産経抄
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 驚いたことに40年以上も前に刊行された本が、昨年12月から新装版として書店に並んでいる。故山本七平さんの『「空気」の研究』(文春文庫)である。山本さんは、日本社会を「大きな絶対権をもった妖怪」である「空気」をキーワードに分析する。

 ▼「すべてを制御し統制し、強力な規範となって、各人の口を封じてしまう」。なるほど、名著が今も必要とされるのは当然である。昨今の世間を騒がしている厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正問題も、見事に説明してくれる。