産経抄

2月10日

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 いつにない冷え込みに眠りを妨げられ、時計の目覚ましが鳴るより早く床を抜け出た。明け切らぬ町を最寄り駅へと急ぐ。寝息を立てる近隣の屋根、沿道の植え込みには、粉砂糖をまぶしたほどの雪がすでに積もっていた-。9日朝の東京である。

 ▼川端康成の小説『雪国』は、〈夜の底が白くなった〉という冒頭の一節があまねく知られている。文豪の筆にかかれば、物憂げな雪景色も格調高く幻想的に描出される。本稿の書き出しが退屈なモノトーンの点描にとどまったのは、非才ゆえの限界というほかない。