産経抄

2月14日

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 寄席の楽屋で耳よりな話を聞いた。家賃のいらない家があるというのだ。しかも長屋は新しく、電気も水道もある。喜んで引っ越したら、とんだ「なめくじ長屋」だった。もともと池だったところで、ジメジメしてナメクジと蚊の大群が押し寄せてくる。

 ▼家賃がタダでも一軒埋まれば、つられて他の家にも借り手がつく。オトリにしてカモをおびき寄せるのが、家主の思惑だった。落語の「昭和の名人」、古今亭志ん生の若き日の「びんぼう話」の一つである。