産経抄

3月2日

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 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領がお膳立てしたトランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とのお見合いは今回、不首尾に終わった。文氏が米朝それぞれにささやいた甘い仲人口は、双方の期待をふくらませた分、罪深い。会談後のトランプ氏の記者会見の様子は、すっかり熱が冷めたようだった。

 ▼「落胆を隠せない」(産経)、「ぼうぜん自失としている」(日経)、「受けた衝撃は大きい」(読売)などと、1日付の新聞各紙朝刊は文政権の動揺を伝えている。うまく運ぶものと勝手に信じ込み、仲人席で米朝国交正常化という華燭(かしょく)の典を見守ることを夢見ていたのだろう。