産経抄

4月8日

 評判になっていると聞いて、久しぶりに生物の教科書を開いた。同僚の長辻象平記者が先月、連載記事で紹介した『生物・生命科学大図鑑』である。遺伝学の章でこんな記述を見つけた。

 ▼「タンパク質合成が起こる前に『メッセンジャー(伝令)』がまず核内のDNAから遺伝暗号を細胞質中に運ばなければなりません。この遺伝のメッセンジャーは、リボ核酸あるいはRNAとよばれます」。このリボ核酸の存在を1960年に解明したのが、英国の分子生物学者、シドニー・ブレンナーさんである。