産経抄

4月10日

 明治100年ブームに沸いた昭和43年、作家の城山三郎さんは小紙への寄稿で嘆いていた。「明治100年の50年分ぐらいは、この人の力でつくられたようにも思えるのだが、一向にその名が出ない」。

 ▼「日本資本主義の父」と呼ばれる実業家、渋沢栄一の名が広く知られるのは、3年後に城山さんが伝記小説『雄気堂々』を発表してからだ。91年の生涯で設立した企業は500、関係した公共・社会事業は600にものぼる。