産経抄

4月12日

 桜田義孝氏は、もともと不思議な言葉遣いをする人だった。たとえば、五輪相に就任したばかりの昨年11月、小紙のインタビューでのやりとりである。2020年東京五輪・パラリンピックにどう臨むか。この質問に「『復興五輪』を掲げる」と答えたまではいい。

 ▼「被災者の心を逆なでしないように、寄り添っていく」。閣僚として、相手がいら立つような発言をしないことを抱負にする人は珍しい。以来、失言、言い間違い、事実誤認などのエピソードは数知れない。世間の失笑を浴び、海外メディアからも注目され、野党の追及の矛先となってきた。