産経抄

4月24日

 スリランカの初代大統領、ジュニウス・リチャード・ジャヤワルデネ氏は、国民から親しみを込めて「ジェー・アール」と呼ばれていた。日本にやってきたスリランカ人が、JRを大統領のイニシャルと勘違いしたとの笑い話もある。

 ▼話は、1951年9月のサンフランシスコ講和会議にさかのぼる。ジャヤワルデネ氏は、独立まもないセイロン(現スリランカ)代表を務めていた。「憎しみは憎しみによって消え去らない。愛によって消える」。ブッダの言葉を引用した演説で、日本を擁護し、対日賠償請求権の放棄を表明した。