産経抄

4月28日

 世の中は、暦通りに休める人と休めない人でできている。〈元日を稼ぐ因果の芸渡世〉。俳優の小沢昭一さんがひねった句に、共感の一票を入れる人は多かろう。小欄もその口である。大型連休が始まったきのう、本稿の筆を執る段で調べ物があり、いつもの図書館へ足を運んだ。

 ▼行けば開いているありがたい場所だが、休日ならではの点景もある。目当ての本を探していると、「すー、すー」と心地よさげな音がする。ベビーカーの中で幼い男の子が立てる寝息の音だった。息を殺して書棚の間を縫っていたのは、お守り役のお父さんである。