産経抄

5月11日

 高校生の頃、まだ存命中だった祖父が、何を思ったのか『日本国憲法』という本を買って土産にくれた。大きな文字で条文が書かれているだけだったが、せっかくなので改めて読んでみた。すると前文から引っかかった。中身はもちろん、日本語としても変ではないのかと。

 ▼「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」。周辺国を見渡して、そんな諸国民がどこにいるのかという当然の疑問はさておく。「公正と信義『に』信頼」との箇所は「を」が普通だろう。「昔はそういう言い方をしたのかしらん」と当時、首をひねるしかなかった。