産経抄

5月16日

 「トラ大臣」と呼ばれた泉山三六は、若い頃から酒癖が悪かった。三井銀行の若手行員時代、職務質問に腹を立てて警察官を殴り飛ばし、留置場で夜を明かしたこともある。

 ▼昭和22年4月の総選挙で初当選すると、翌年吉田内閣で大蔵大臣に抜擢(ばってき)された。それからわずか2カ月後、「世界の議会史上曾(かつ)て聞かざる珍事」(時事新報)を引き起こす。国会内で、泥酔した泉山は女性議員に抱きついてキスを迫り、抵抗されるとあごにかみついた。醜態の後眠りこけた泉山は、蔵相の要職とともに、議員の職も失った。