産経抄

7月13日

 社会的弱者や人権派、平和主義者の装いで身を守りつつ、実際は暴力で自分たちの主義主張を通そうとするほど、卑怯(ひきょう)な振る舞いはない。触らぬ神にたたりなしとばかりに、見て見ぬふりをするのも同じことだろう。参院選の最中、放っておけない暴力行為が相次いでいる。

 ▼7日には、東京都中野区で安倍晋三首相の街頭演説への妨害活動をスマートフォンで撮影しようとした女性を、「安倍辞めろ」などと騒いでいた一団が取り囲み、スマホを取り上げて地面にたたきつけて破壊した。女性が、演説が聞こえないので注意したものの聞き入れられず、実態を記録にとどめようとしてのことだった。