産経抄

7月23日

 病気、離婚、痴漢、暴行、SNS炎上、男女間のトラブル、賭博、薬物…。約6千人の芸人やタレントを抱える吉本興業は、あらゆる「有事」を経験してきた。4年前に退社するまで、広報マンとして35年にわたって謝罪会見を取り仕切ってきた竹中功さんには、『よい謝罪』(日経BP社)という著書がある。

 ▼そんな危機管理のプロたちが目を光らせているはずの会社が、一体どうしたことか。始まりは、お笑い芸人らが反社会的勢力の主催する会合に出席し、謝礼を受け取っていたスキャンダルだった。それがいつのまにか、吉本興業による所属芸人へのパワハラ騒動に発展している。