産経抄

7月31日

 「戦死やあわれ 兵隊の死ぬるや あわれ」「骨を愛する人もなし」。終戦4カ月前にフィリピンで戦死した詩人、竹内浩三の『骨のうたう』である。遺骨となって帰還後、故国をながめている。もっとも、遺族が受け取ったのは、浩三の名前が書かれた一枚の紙だけだった。

 ▼先の大戦では、約240万人もの日本人が海外で犠牲になった。その半分近くの遺骨がいまも土の中に眠っている。その収集は、厚生労働省が担当してきた。職員が、旧ソ連に抑留されていた日本人の遺骨として16柱分を持ち帰ったのは、5年前である。