産経抄

8月12日

 弁護士の三井義広さんが、男に果物ナイフで背中を刺されたのは白昼、客でにぎわう喫茶店の中だった。傷は肺まで達したが、からくも死は免れた。100キロを超える巨漢だった三井さんは、医師に皮下脂肪の厚さのおかげと言われた。

 ▼昭和62(1987)年6月、静岡県浜松市では、山口組系一力一家と組事務所の撤去を求める住民との間で、訴訟合戦が繰り広げられていた。三井さんは、住民側の弁護団長を務めていた。まもなく組員の男が、殺人未遂容疑で逮捕される。8カ月後、一力一家が立ち退くことで和解が成立、住民側の実質勝利に終わった。その後全国に広がった暴力団追放運動の先駆けとなる。