産経抄

10月21日

 「オランダは小さな国に不相応なほどに多くの絵画の巨匠たちを出した」。司馬遼太郎さんの『オランダ紀行』の一節である。司馬さんは、その一人であるフィンセント・ファン・ゴッホについて、多くのページを費やした。

 ▼恥ずかしながらこの本を読むまで、ゴッホをフランス人だと信じていた。東京・上野の森美術館で開催中の「ゴッホ展」でも、ゴッホに抱いていた勝手な思い込みが覆される。