産経抄

11月18日

 「ロシア人が“バザール商法”の達人であることを肝に銘じなければならない」。14日に亡くなった本紙正論メンバーで北海道大学名誉教授の木村汎(ひろし)氏は、北方領土をめぐる対露交渉などについて巧みなたとえを使い、筆鋒(ひっぽう)鋭く論じてくださった。

 ▼冒頭の文は平成21年5月の本紙正論欄で、対露迎合する日本政府にくぎを刺した。「4島が日本側の掛け値なしの要求なのである」と歴史的経緯を踏まえ分かりやすく説き、「ロシア人は、バザール(市場)でバナナの叩(たた)き売りを行うように、まず相手方に値段を言わせ、その後揉(も)みに揉んで、最終的には『中(なか)をとろう』ともちかける」と警鐘を鳴らした。