産経抄

12月2日

 18世紀後半にローマを訪れた文豪ゲーテは、古代ローマ帝国の権威の象徴とされるコロッセオの大きさに圧倒された。「この円形劇場を眺めると、他のものはすべてちっぽけに見える」と『イタリア紀行』に書いている。

 ▼なにしろ楕円(だえん)形の建造物は、周囲が527メートルにも及ぶ。72年にウェスパシアヌス帝が着工して8年後、息子のティトウス帝の時代に完成した。約5万人の観客のお目当ては、剣闘士同士、あるいは剣闘士と猛獣の闘いである。開場記念の式典は100日間続き、ライオンなどの猛獣5千頭が殺されたという。