産経抄

12月22日

 何年か前の小紙に「七運汁」と呼ばれる郷土料理の記事が載っていた。ダイコン、ニンジン、レンコンなど「ん」の付く具材を煮込んだ椀(わん)物を食し、翌年の豊作を祈願する。茨城県那珂市の一部に伝わる風習という。

 ▼「ん」が付く言葉は「運が付く」につながる。言葉遊びが転じ験担ぎの伝統となったらしい。言われてみれば「冬至南瓜(かぼちゃ)」という冬の季語もある。この時節にカボチャを食べるのは別名「南京(なんきん)」に由来する、と聞けば得心がいく。きょうは冬至である。