産経抄

12月27日

 米ボストン美術館が所蔵する名品のひとつに、平安後期の絵巻物「吉備大臣入唐絵巻」がある。主人公は、奈良時代の遣唐使の一人だった吉備真備(きびの・まきび)である。

 ▼真備の才能を恐れた唐の皇帝は、さまざまな難題をふっかけた。同じく留学生として唐に渡り現地で客死した、阿倍仲麻呂の霊の力を借りて乗り越えていく。空を飛んだり、太陽と月の動きを封じて真っ暗にしたりと、真備と仲麻呂の人間離れした活躍が描かれている。