産経抄

12月29日

 年の瀬に知った顔と会えば、たいてい休みの話になる。芸能界もそうらしい。「お休みは?」「暦通りです」。どこかのスタジオで交わされた会話に、人気ファッションモデルの女性が首を傾(かし)げた。「暦通りってなあに? 竹下通り的なもの?」。

 ▼放送作家の高田文夫さんが『ご笑納下さい』(新潮文庫)に書き留めている。よくできた小話かといえば、さにあらず。「暦通り」は彼女の辞書にない言葉だった。名誉のためにお名前は伏せるが、忙し過ぎる現代を思えば「どこの通り?」が耳に痛い人もいよう。