産経抄

1月1日

 明けましておめでとうございます。届いたばかりの年賀状には、ネズミの絵柄が目立つはずだ。十二支の最初に据えられたネズミと日本人との関わりは深い。『古事記』にも登場する。須佐之男命(すさのおのみこと)により野原で焼き打ちにあった大国主命(おおくにぬしのみこと)の窮地を救ったのは、ネズミだった。

 ▼正月三が日には、「嫁が君」なる異称が与えられる。『日本国語大辞典』には、「新年に鼠(ねずみ)の害を減ずるためにねずみと呼ばず天井のヨメと呼び饗(きょう)したところから」とある。〈明くる夜もほのかにうれし嫁が君〉(其角)。新年の季語とした多くの俳句も詠まれてきた。