産経抄

1月22日

 <寒き雨まれまれに降りはやりかぜ衰へぬ長崎の年暮れむとす>。大正8(1919)年、長崎医学専門学校の教授を務めていた斎藤茂吉が詠んだ歌である。

 ▼「はやりかぜ」の正体は、当時世界中で大流行していたスペイン風邪だった。年が明けると、茂吉本人も高熱を発して肺炎を併発し、寝込んでしまった。一時生死の境をさまよいながら命を取り留める。同じ日に発症した別の教授は亡くなった。