産経抄

2月1日

 何かと後手に回るのは、戦後日本の宿痾(しゅくあ)である。自民党政務調査会嘱託の田村重信氏の新著『ここが変だよ日本国憲法!』を読み、改めて得心した。田村氏は説く。「いままでの危機管理に関する法律は、実際に危機が起きてからでないと成立しませんでした」。

 ▼それによると、災害対策基本法ができたのは昭和34年の伊勢湾台風後で、救助のための自衛隊車両が許可を得ずとも被災地の道路を通行できるようになるのは、平成7年の阪神淡路大震災を経た同法改正後だった。原子力災害対策特別措置法も、11年に茨城県東海村で臨界事故が起きてからできた。