産経抄

2月13日

 日本人が外国映画を日本語の字幕で楽しむようになったのは、昭和6年に公開されたマレーネ・ディートリヒの『モロッコ』からである。現在では日本で公開される年間数百本の外国映画は、ほとんどすべて日本語字幕付きで上映されている。

 ▼数が多いだけではない。字幕翻訳家の戸田奈津子さんによれば、正確さ、タイミングなどどれをとっても日本の字幕技術は世界一である。もっとも、日本の映画を外国で上映しようとすると、現在でも言葉の壁が立ちふさがる。