産経抄

2月20日

 5年生になってぼくはいじめられるようになり、未来のことだけを考えることにした。1年ごとの自分の目標を手紙に書き、その通りに生きていこうと決めた。

 ▼椰月(やづき)美智子さんの小説『未来の手紙』は、ここから32歳の主人公が20通目の手紙を読んでいる場面に飛ぶ。千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さんは、20年後どころか半年後の自分宛ての手紙さえ読ませてもらえなかった。