政治家、なかんずくリーダーである首相に求められる第一の資質とは何か。複雑な利害やしがらみが絡み合い、白黒つけ難い問題を果断に処理する決断力だろう。竹下登元首相は就任が決まった際、周囲に漏らした。「51対49の問題に決着をつけなければならない立場になった」。
▼一口に首相といってもそれぞれタイプは違う。以前、阪神大震災と東日本大震災の両方で対応に当たった官僚から、時の首相について聞いたエピソードである。「村山富市さんは『困ったら私に言え。責任はとる』と任せてくれた。一方、菅直人さんは『私に話を持ってくるな』と言いつつ、何かあったらお前の責任だという態度だった」。