産経抄

3月3日

 江戸時代に天下無敵の強さを誇ったのが、二代目谷風梶之助である。通算成績258勝14敗、63連勝も記録している。「わしを土俵で倒すのは無理だから、風邪を引いたときに来い」と豪語したといわれる。ところが谷風は、本当に風邪にかかって亡くなってしまう。インフルエンザと考えられるが、人々はそれを「たにかぜ」と呼んで恐れた。

 ▼大正時代の大相撲を脅かしたのは、スペイン風邪である。大正7(1918)年4月、日本統治下にあった台湾を巡業中の力士たちが次々に発病して、3人が命を落とした。当時の報道では、「気管支炎と肺炎とを併発」との記事があった。