産経抄

3月19日

 黒を白と言いくるめる中国政府の論法に、国際社会は何度も悩まされてきた。さすがにこれは、無理筋というものだ。中国外務省の報道官は先週、新型コロナウイルスについて、「米軍が武漢市に持ち込んだかもしれない」とツイートした。厳重抗議だけでは、腹の虫がおさまらなかったようだ。トランプ米大統領はツイッターで、「中国ウイルス」と名指ししている。

 ▼先週のコラムで、「発生源をあいまいにして被害者を装う、中国の欺瞞(ぎまん)が許されるわけではない」と書いた。中国本土の感染の勢いが収まってくると、「被害者を装う」どころではなくなった。独裁体制ならではの強権の発動を日本や欧米諸国も見習え、と言わんばかりの主張を官製メディアを通じて発信している。