産経抄

3月24日

 男女間の性の深淵を描き続けた作家、吉行淳之介さんの全集(新潮社)の最終巻に、人生のパートナーだった女優の宮城まり子さんに送った13通の手紙が収録されている。書かれたのは、昭和34年11月から翌年1月にかけて。宮城さんは妻子のある吉行さんとの恋愛に終止符を打つために、ニューヨークに滞在していた。

 ▼「君のことは、大好きです」。ストレートな愛の言葉もあれば、こんな変化球も。「小生誘惑が多く、毎日神さまにお祈りして、日を送っている」。宮城さんに焼きもちをやかせて、帰国をうながそうとしている。