日本の田舎暮らしにあこがれていたＣ・Ｗ・ニコルさんが、長野県信濃町に移住したのは昭和５５年である。やがてバブル経済が始まった。天然林が次々に伐採され、産業廃棄物の不法投棄も横行するようになる。

　▼「森を守れ」。ニコルさんの訴えに行政は耳を貸さなかった。ある日、故郷である英国の南ウェールズの知人から届いた手紙がきっかけとなる。かつて炭鉱で栄え、やがてボタ山だらけとなった「アファンの谷」を森林公園として生まれ変わらせる。