通産官僚だった故堺屋太一さんが生まれて初めて書いた小説は、100万部を超えるベストセラーとなった。『油断!』というタイトルもよかった。中東からの石油の輸入がもし途絶えたら、どうなるか。文字通り、油が断たれた日本のパニック状態を描いていたからだ。
▼昭和48(1973)年には実際、中東戦争をきっかけに灯油やガソリンなど石油製品の価格が急騰した。小説は、いわゆるオイルショックが日本を襲う直前に完成していた。混乱を助長することを恐れて、あえて世の中が落ち着いた2年後に出版したという。
通産官僚だった故堺屋太一さんが生まれて初めて書いた小説は、100万部を超えるベストセラーとなった。『油断!』というタイトルもよかった。中東からの石油の輸入がもし途絶えたら、どうなるか。文字通り、油が断たれた日本のパニック状態を描いていたからだ。
▼昭和48(1973)年には実際、中東戦争をきっかけに灯油やガソリンなど石油製品の価格が急騰した。小説は、いわゆるオイルショックが日本を襲う直前に完成していた。混乱を助長することを恐れて、あえて世の中が落ち着いた2年後に出版したという。