産経抄

4月26日

 人の死を表す言葉には、多くの婉曲(えんきょく)な言い回しがある。「逝去する」「他界する」「永眠する」「瞑目(めいもく)する」…。病気であれ、災害であれ、事件や事故であれ、新聞記者という仕事柄、人の死を避けては通れない。

 ▼どの言い回しを用いるかは、故人の人柄をしのびつつ思案する。心情として露骨な表現は使いたくない。痛みに苦しみながら最期を迎えたとしても、安らかな眠りを願って「息を引き取った」などと和らげる。亡き人に、それ以上の苦痛を加えたくないからである。