産経抄

5月8日

 今月12日に生誕200年を迎えるフローレンス・ナイチンゲールといえば、日本では「白衣の天使」のイメージが強い。看護師として名声を得たのは19世紀半ば、クリミア戦争に従軍してからだ。英軍の野戦病院で献身的に負傷兵の看護にあたる様子が、新聞記者によって母国に伝えられた。

 ▼もっとも、ナイチンゲールが本領を発揮するのは、帰国してからである。多くの英軍兵士の命を奪ったのは、戦闘で受けた傷というより病院の衛生管理の不備だった事実を突き止めた。若いころから勉強してきた統計学を生かして、独自の円グラフを使ってわかりやすく政府に説明した。