産経抄

5月11日

 大正中期に日本でも猛威を振るったスペイン風邪は、多くの著名人を巻き込んだ。歌人の与謝野晶子もその一人である。11人いた子供のうちの1人が小学校で感染して、家族全員に広がった。

 ▼「大呉服店、学校、興行物、大工場、大展覧会等、多くの人間の密集する場所の一時休業を(なぜ)命じなかつたのでせうか」。晶子は政府の対応を批判する一文を新聞に寄せている。100年後、新型コロナウイルスとの戦いでも同じ過ちが繰り返された。やはり緊急事態宣言の発令は遅きに失した。