産経抄

5月24日

 あるものに関するクイズを一つ。高価なものは金や七色の石でできており、安価なものは1円の値打ちもない。『三国志』では、賊の手に落ちないよう都の女官がこれを抱いて井戸に身を投げ、後に呉の孫堅がこれを拾った。

 ▼答えは、印章(はんこ)である。日本最古のものは「漢委奴国王」と刻まれた純金製の逸品、孫堅が手に入れたのは「伝国の玉璽」という中国正統王朝の証しだった。宅配物の受け取りには三文判を押し、拇印(ぼいん)や実印、消印など「はんこの国」で培われた言葉の数々も、耳になじみ深い。