産経抄

5月29日

 父親を殺した少年が警察に追われて、投身自殺を図る。警察は少年を裁判にかけるために、高名な外科医に手術を依頼した。もっとも実際に少年の命を救ったのは、天才外科医、ブラック・ジャックである。

 ▼少年は裁判で死刑を宣告される。「死刑にするため助けたんじゃない!」。傍聴席にいたブラック・ジャックは叫んだ。医師免許を持っていた手塚治虫さんの傑作漫画、『ブラック・ジャック』のなかの「二度死んだ少年」である。