産経抄

6月11日

 アルツハイマー病やパーキンソン病など、発見者の名前がついた病気は少なくない。全身の血管に炎症が起こり、主に乳幼児に発生する川崎病もその一つである。もっとも、川崎市の病気との誤解はなかなか解けなかった。「川崎のぜんそくに取り組まれているそうで」。発見者の川崎富作さんは、面識のない医師からこんな手紙を受け取ったことがある。

 ▼すべての始まりは、日赤中央病院に勤務して11年目、昭和36年1月の夜だった。入院した4歳の男児の症状は、猩紅(しょうこう)熱に似ていたが、いくつかの点で矛盾がある。やがて回復した男の子のカルテには「診断不明」と書くしかなかった。