産経抄

6月12日

 織田信長は人生の節目で梅雨に助けられてきた。桶狭間の戦いでは、豪雨に乗じて今川義元を倒した。長篠の一戦で武田勝頼の軍勢を打ち砕いたのは、梅雨の中休みだった。

 ▼実は本能寺の変も梅雨の時期にあたっていた。天正10(1582)年6月2日、新暦では6月21日である。なぜ、明智光秀にむざむざと討たれたのか。歴史の大きな謎に気象の観点から迫ったのが、新田次郎の小説『梅雨将軍信長』である。